初心者必見 メディキットは高配当株?徹底解説

高配当株投資を始めたいけど、どの銘柄がいいか分からない…

そんなお悩みありませんか?

実は、私たちの生活に直接なじみは無くても社会に絶対必要とされる堅実なビジネスで安定した配当を出している「隠れた優良企業」があるんです。

それが今回ご紹介するメディキットです! なぜこの会社が投資家に注目されるのか、そのヒミツを一緒に見ていきましょう!

本サイトでは

「高配当株投資、始めてみたいけど何から手をつけたらいいんだろう…」

「インデックス投資の次に、個別株にも挑戦してみたい!」

もし一つでも当てはまったら、この記事はきっとあなたの役に立つはずです。

この記事を読み終える頃には、メディキットがなぜ「隠れた優良高配当株」と呼ばれるのか、その理由がしっかり分かるようになっていますよ。

先に結論!メディキットへの投資判断は?

時間がない方向けに、まずは結論から!

メディキットは「財務の安定性を最重要視し、長期でじっくり資産を育てたい投資家におすすめできる銘柄」です。

メリット

・自己資本比率80%超え!鉄壁の財務基盤

・景気に左右されにくい安定した事業内容

・DOE採用で株主還元への意識が高い

デメリット

・売上成長の伸び悩み感

・株価のボラティリティ(変動)が低い

・為替(円高)が業績に影響を与える可能性

「大きな値上がり益(キャピタルゲイン)を狙いたい!」という方には少し物足りないかもしれませんが、「倒産リスクが低く、安定した配当金を受け取りたい」という方には、非常に魅力的な選択肢になるでしょう。

それでは、詳しく見ていきましょう!

そもそもメディキットってどんな会社?

メディキットは、宮崎県に本社を置く医療機器メーカーです。特に、病気の治療や検査で血管に挿入して使う「カテーテル」という細い管の製造を得意としています

主な事業

  • インターベンション類
  • 人工透析類
  • 静脈留置針類

の3つになります!

この図からわかるように、全体的に事業を分散していることが分かります。

人工透析類

人工透析というのは、腎臓の機能が低下した患者の血液を体外に取り出し、機械によって綺麗にして、体内に戻す治療法です。

この「血液の出し入れ」に使う道具がメディキットの主力製品の一つです。

主な製品はこの二つです。

AVF(自己血管内シャント)用留置針

これがメディキットの花形製品といわれています。

人工透析を受けるときに、、腕の血管(動脈と静脈)をつなぎ合わせて、透析に耐えられる太い血管(シャント)を作る手術をする必要があります。

その血管(シャント)に刺すための専用の針をメディキットは製造・販売をしています。

特にこの分野でメディキットは国内シェアNO.1を誇っていて、医療現場からの信頼が厚く、一度採用されると他の製品に切り替えられにくい、非常に強力なビジネス基盤を持っているのです。

透析用カテーテル 

人工透析をする際に、すぐに透析を始めなきゃいけない緊急の場合や、血管が細くてシャントが作れない場合があります。

この時に活躍するのは「透析用カテーテル」なのです。

カテーテルには血液を取り出す「脱血用」の管と、きれいになった血液を体内に戻す「返血用」の管、2つのルートがついており、この管と透析装置をつなぐことで、シャントに針を刺さなくても透析ができます。

これはすぐに使え便利ですが、感染症のリスクもあります。

メディキットはどちらの方法も提供できる製品を製造しています。

近年では、一般針から付加価値の高い安全針や海外でも欧州で売上増加もしてます。

静脈留置針類

静脈留置針とは、病院で点滴を受ける際に腕に刺したままにする、プラスチック製の柔らかい針(静脈留置針)です。皆さんも一度は目にしたことがあるかもしれませんね。

点滴は最も基本的な医療行為の一つです。病気やケガの種類に関わらず、世界中の病院で毎日大量に消費されます。そのため、この事業は景気の変動をほとんど受けません。一度採用されれば継続的に使われるため、非常に安定した収益が見込めます。

また、欧米や中国でも需要が高まっており、海外での収益も着実に増えています。

主な製品は以下の二つになります

スーパーキャス

この注射針は「安全性」「優しい素材」に重きを置いています。

医療現場では、使用済みの針が誤って指に刺さってしまう「針刺し事故」が大きな問題です。メディキットは、内針を抜くと同時に、針先を自動的にカバーで覆う安全機能を備えた製品を多数ラインナップしています。

血管内に長期間留置されるチューブ(カテーテル)の素材も重要です。初期の製品は比較的硬い素材でしたが、現在の主力製品では体温で柔らかくなるポリウレタンなどが使われています。

メディキットの「静脈留置針」は、単なる”針”ではなく、医療従事者の安全を守る「安全性能」、患者の負担を減らす「素材技術」、そしてあらゆる状況に対応する「製品ラインナップ」という付加価値を持っています。

これらの強みが医療現場からの信頼につながり、安定した需要と高い成長率を実現しているのです。一見地味な製品に見えますが、その裏には深い技術と戦略が隠されていると言えるでしょう。

インターベンション類

インターベンションとは、胸などの手術にに対して、体への負担が少ない治療法のことです。具体的には、手首や足の付け根などからカテーテルという細い管を血管に挿入し、目的の場所(心臓、脳、肝臓など)まで到達させて治療を行います。

これは患者にとって負担を減らすことができます。

メディキットの主な製品はこれです

シースイントロデューサー(製品名:スーパーシースなど)

これは、カテーテルを血管にスムーズに挿入するための「鞘(さや)」のような器具です。最初にこれを血管に設置することで、治療中に様々な種類のカテーテルを交換したり、操作したりする際の血管へのダメージを防ぎます。

メディキットがこの分野で大きく飛躍するきっかけとなった主力製品です。

血管造影用カテーテル

血管内に造影剤を注入し、X線で血管の状態を映し出す(血管造影)ために使われるカテーテルです。血管がどこで、どのくらい詰まっているのかを正確に把握する「診断」の段階で不可欠な製品です。

これらの事業は、高齢化や安全性の観点から高い将来性を持つ成長市場です。

しかし、一般的に製品の単価が高く、利益率も高い「花形」とされています。メディキットにとっても、会社の利益を牽引する重要な部門です。しかし、その分、国内外の巨大な医療機器メーカーがひしめく競争の激しい分野です。

近年ではインターベンション事業の売上が下がっていますが、欧米や中国市場に目を向け市場を展開することで顧客の勝ち取りを目指しています。

財務について深堀り!!

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 997644aae29717ac3b3a9a6a531b1ee1.png

さて、メディキットの事業がいかに強固か、お分かりいただけたかと思います。

とはいえ、ビジネスの世界では「外見」が良くても「中身」が伴っていなければ意味がありません。 人間で言えば、どんなに元気そうに見えても体の中に病気”が隠れていたら大変ですよね。

そこで私たち投資家は、企業が本当に健康かどうかを見極めるために、会社の「健康診断書」をチェックするんです。

それが、今回見ていくのが「決算書

さあ、この診断書を一緒に読み解いて、メディキットが本当に健全な優良企業なのか、調査していきましょう!

(データはIR BANKを基にしたものです。https://irbank.net/E02354/results )

売上高

売上高(企業が製品やサービスの販売から得た収入)について見ていきましょう。

全体的に見ても微増な部分もありますが、右肩上がりであることが分かりますね。

大きく売上高が減少している部分はない所が、景気に左右されないディフェンシブ株の良い所です。

しかし、2021年に前年よりも大きく下がっていますね。これは皆さんのご存知の通り、新型コロナのパンデミックです。これのせいで世界的に緊急性の低い手術や検査が延期され売上減少したものと考えられています。

しかし重要なのはその翌年、すぐに回復して過去最高の売上を更新していることです。

これはメディキットの事業基盤がいかに強固であるかを示しています。一時的な外部要因で落ち込んでも、すぐに立ち直れる「回復力」は、長期投資家にとって非常に心強いポイントです。

営業利益と営業利益率

お金の効率よく稼いでいるかわかる営業利益・営業利益率(売上高からコストを引いて残った本業の儲け)について見ていきましょう。

営業利益は2008年の26億円から、2024年には46億円へと大きく成長しています。これは、売上が伸びるだけでなく、会社として利益をしっかり確保できる体制が整っている証拠です。

売上高と同じく、景気後退期でも利益が大きく崩れていません。特にリーマンショック後も利益を維持し、成長軌道に戻している点は評価できます。

2024年に46億円のピークを付けた後、2025年、2026年(予)は44億、45億と、わずかに足踏みしているように見えます。これが次の成長への準備期間なのか、あるいは利益成長の鈍化の始まりなのかは、注意深く見守る必要があります

営業利益率は、長年にわたって20%前後という非常に高い水準で推移していることです。

これは、メディキットの技術力と高付加価値の製品づくりであること見て取れます。

経常利益

会社全体の総合的な稼ぐ力を示す経常利益(本業の利益に、投資や利息などの本業以外の損益を加えたもの)を見ていきましょう。

ご提示いただいた2つのグラフ(営業利益と経常利益)を比較すると面白いことが分かります。多くの年で、経常利益が営業利益を上回っています

これは、営業外費用(支払利息など)よりも、営業外収益(受取利息など)の方が多いことを意味します。メディキットは「実質無借金経営」で財務状態が非常に良く、豊富な現預金を保有しています。そのため、支払利息はほとんどなく、逆に受取利息や配当金などが入ってくる。これが経常利益を押し上げているのです。本業だけでなく、財務活動も非常に堅実であることがここから読み取れます。

しかし、一部の年では前年に比べて落ち込んでいるところがありますが、これは為替変動の影響を強く受けている可能性を示唆しています。

為替による変動はあるものの、グラフ全体を見れば、経常利益も長期的に右肩上がりのトレンドを維持しています。2024年には過去最高の47億円を記録しており、企業の総合的な収益力が拡大し続けていることが分かります。

配当金と配当性向

さあ、いよいよ本題の核心です。企業の、私たち投資家への愛情が分かる配当金(株主に還元する金額)と、その健全性が分かる配当性向(企業が得た利益の何割を株主に還元しているか)を見ていきましょう。

最も注目すべきは、2008年から一度も「減配(前年より配当を減らすこと)」をしていない点です。(2023年では配当金が100円ですが、これは、基本配当70+記念配当30なので、減配になっているわけではありません。)

維持(同額)はあっても、減らしてはいません。特に、利益が落ち込んだ2021年度も配当は50円で維持しています。株主への利益還元を非常に重視している経営の表れです。

配当性向は、かつては安定配当であり、おおむね30%前後で安定して推移していました。

しかし近年では配当性向が約60%まで急騰している点です。これは、先ほど見た「100円への大幅増配」と連動しています。利益水準に対して、倍近い割合で配当を出すという劇的な方針転換です。

この変化は、豊富な内部留保を持つメディキットが、「これからは成長投資だけでなく、株主への直接的な利益還元も経営の太い柱とします」という力強いメッセージを発していると受け取れます。

メディキットのここが強い!

財務の健全性は、いわば企業の「守りの強さ」。ここからは、将来の成長に繋がる「攻めの強さ」、そして注意すべき点(リスク)を大きな視点で見ていきまししょう。

強み①:メディキットの強み

自己資本比率85%超の「実質無借金経営」は最大の強みです。景気後退や金融危機が起きても倒産するリスクは極めて低く、安心して長期保有できる盤石の安定感を誇ります。

強み②:景気に左右されない安定した事業

主力製品の人工透析やカテーテル類は、景気に関わらず常に需要がある医療消耗品です。これにより、売上や利益が安定しており、業績の浮き沈みが少ない「ディフェンシブ銘柄」として非常に優れています

強み③:積極的かつ安定した株主還元

長年「減配しない」実績があり、近年は配当性向の目安を40%~50%に引き上げるなど、株主還元への意識が非常に高いです。安定した事業基盤から生み出されるキャッシュを、今後も高水準の配当で受け取れることが期待できます。

投資家なら知っておきたい3つのリスク

どんな優良企業にも、リスクは必ず存在します。それを正しく知ることが、私たちの投資の「武器」になります。

リスク①:成長の鈍化懸念

売上は伸びていますが、利益の伸びは近年やや足踏み状態です。特に利益率の高い「インターベンション類」事業の不振は懸念材料。爆発的な成長は期待しにくく、株価が大きく上昇するタイプの銘柄ではありません。

企業の対策

米国、欧州、中国市場を重点地域と定め、販売を強化する方針を明確にしています。国内市場が成熟する中で、巨大な海外市場でのシェアを獲得することが最大の成長ドライバーと位置づけています。特に米国では高品質な製品への需要が高まっており、ここでの成功が今後の成長の鍵を握ります

リスク②:為替変動の影響を受けやすい

海外売上高比率が高いため、「円高」が進行すると利益が大きく目減りするリスクがあります。本業の調子が良くても、為替次第で短期的な業績が下振れする可能性は常に念頭に置く必要があります。

企業の対策

メディキットは、将来受け取る外貨(ドルなど)を、あらかじめ決めたレートで円に交換する契約を結ぶ「為替予約」を行っています。これにより、急激な円高が進んでも、その影響を一定期間平準化させ、業績の急な下振れを防いでいます。完全にリスクをなくすことはできませんが、経営計画を立てやすくするための重要なリスクヘッジ策です。

リスク③:市場での注目度が低く、流動性が低い

良くも悪くも地味な銘柄で、一日あたりの株式の売買代金(出来高)が少ない傾向にあります。そのため、大きな金額を一度に売買しようとすると、株価が大きく動いてしまい、自分の希望する価格で売買しにくい可能性があります。

企業の対策

四半期ごとの決算説明会を機関投資家やアナリスト向けに開催し、事業の状況を丁寧に説明しています。また、個人投資家向けにも、ウェブサイトで決算説明資料や動画を公開するなど、以前よりも情報発信を積極化させています。株主との対話を通じて、自社の魅力を市場に伝え、適正な株価形成と流動性の向上を目指しています。

最後に

長い分析に最後までお付き合いいただいてありがとうございます。この記事を通して、メディキットという企業の魅力に気づいていただけたなら幸いです。

短期的な株価の上下に一喜一憂するのではなく、企業の成長をじっくりと見守りながら、配当金という「金の果実」を長く受け取り続ける。そんな投資スタイルを目指す方にとって、この企業はとても魅力的なパートナー候補になりうるのではないでしょうか。

もちろん、どんな投資にもリスクはあり、将来を100%保証することは誰にもできません。この記事が、あなたがメディキットという企業を深く知り、ご自身の投資判断をする上での一助となれば、これほど嬉しいことはありません。

ぜひ、ご自身の目でも、同社の公式サイトでIR情報などをチェックすることをおすすめします!

最後までお読みいただきありがとうございます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました